音痴について考える

カラオケなどで歌った際の、いわゆる音痴な状態には2通り、さらにプラスαがあります。

1. 出したい音が出せない(喉音痴などと称する)
2. 出してる音が正しいか分からない(耳音痴などと称する)
3. リズムがずれてる(リズム音痴などと称する)
4. 声質、声量などがよくない

この中で、4については普通音痴とは言われませんので、以下の文章では外します。(1-3に問題が多い場合はちょっと音痴扱いになることもありますが……)

まず、私個人について言えば、1, 2, 3にそれぞれ重度・軽度の差はありますが、当てはまります。

3については、一部ずれる程度であれば、原曲の伴奏などをよく意識して聴きこんで、練習して合わせる程度で普通は改善すると思いますし、基本的に許容範囲だと思います。酷くずれる(あるフレーズをタメすぎて、次のフレーズを走りすぎる……の繰り返し)になる場合は、トレーニングが必要だと思いますが、私は原曲の聴き込みが足りない状態だと、入りがずれたり、フレーズの中で音符の長さを間違って覚えている音符がある、程度なので、このレベル(リズムが常時聞き苦しいほど悪い)をどうやって改善するか、はあまり詳しくないです。

(JOYSOUNDなんかは、歌から入る曲について勝手に前奏を付けるので、それは逆に覚えてないと厳しいですが。DAMの場合も同じですが、こちらはドラムのスティックだけで入りのタイミングを取ってくれてるので、基本的には覚えやすいです)

1については、一般人で歌い慣れていない人は殆どこれです。音痴は1000人に1人ぐらいしかいないなどと言いますが、この音痴は100人に99人ぐらいいると勝手に思っています。(少なくとも幼児の時点では。それが、保育園・幼稚園のお遊戯や、小・中の教育で素早く修正された人と、そうじゃない人に分かれると思います)

男性は声変わり後の義務教育量を考えると、かなり喉音痴が多いと推測されます。実際、男女で歌いに行くと、平均して女性のほうが上手く感じたりしませんか。男性は声変わりというハンデを持っているといえます。(ボーカリストとしてみれば、そこそこ鍛えれば2.5オクターブぐらいはあっさり使えるようになって、裏声も入れれば3.5オクターブとかになるという、音域上のメリットを持っているとも言えそうですが……)

で、結論として、カラオケにあまり行かない人であれば、かなりの確率でこの音痴は持っています。なお、男性で男性ボーカルの高音が出ない(殆どどんなアーティストでも)といった症状もこの音痴です。

これについては、発声法や練習で改善します。(音域は、高い方向にはかなり広がりますし、音程は出したい音と違う音が出ていることが認識出来ている限り、練習で自然と合っていきます)

ただし、ある音域だけ喉音痴になる(苦手な音域がある)、というレベルの問題が残ると思います。(多分ですが……J-POP等で使うhiA(A4)〜hiC(C5)の高域が出ない→出るようになったけど、ピッチが安定しない→あれ、mid2とかmid1もなんか安定しなくなった……みたいな経緯を経るんじゃないかと思います。高音が全然出ない→出るようになった、の音域が広がった後は要注意です)

2の耳音痴についてですが、これにも、程度があると思います。1000人に1人だとかいいますが、軽度の耳音痴はかなりの人が持っていると思って間違いないでしょう。

具体的には、人が音を外してるのが分かるけど、自分のはイマイチ分からない(これは骨伝導の関係もあるのでやややむを得ないのですが……)とか、大きく外れてるのは分かるけど細かい外れが分からない場合です。1を頑張っていてもなかなか治らない人も多分これです。

・音程を脳が把握しない (基本的に治らない、1000人に1人程度と言われていて、そもそも音楽を楽しめないはず)
・音程の把握が甘い (100セント、つまり半音……や、200セント、つまり1音ずれていてもメロディの動きや音色によっては、ほぼ同じ音に聞こえるというレベルや、常に25セントぐらいズレてても気にならないレベルなどがあります)

前者については、正直、今のところ諦めるしかないと思います(殆ど先天的な疾患のようですので)。後者は、聴音のトレーニングが必要ですし、それで向上すると思います。よく、音痴を直すにはバケツをかぶって歌ったり、CDを聴きこめば良いといいますが、音程の把握が甘い人はそれだけでは不足します。

まずは、iPhoneアプリのPPPianoなど音感トレーニング系のソフトウェアを使って、最低限1オクターブ分の聞き分けができるようになりましょう。まずは全音、つづいて半音を入れて出来るといいと思います。(案外、全音でも最初は結構取れなくて、少し取れるようになってきても、7度離れているのを6度か8度と勘違いするとか、半音の絡む(ミ・ファ)短3度と長3度を聞き違える、長3度と完全4度を聞き違えるなどあると思います。大人になってからの音感トレーニングは時間がかかるので地道にするしかないようです)

ただ、これができるようになっても、(肉声よりは簡単な)ピアノの聴音だけが出来ているので、歌にはまだ不足があります。(骨伝導音と、発声している音はピッチが違ったりもしますし……)

ですので、ピアノ(ソフトウェアでもかまわない。MacならGarageBandとか)と、クロマティックチューナー(Hz単位で表示してくれるものがよい)を組み合わせて使って、ピアノである1音を鳴らす→「あー」などと歌ってユニゾン(同じ音を出す)させて、両方をチューナーで測る。(ピアノの音が消えたときにも声を出し続けて、目的とするHzが出ていることをチェックする)

続いて、あーいーうーえーおーなどと歌って、Hzがあまりずれないことを確認する(ピッチで数セントは許容範囲ですし、10セントぐらいも我慢していいと思います)。というのを自分の音域である程度繰り返す必要があります。その上で(ユニゾンの感覚を身につけたら)、原曲と合わせてユニゾンする練習をやっていけば、ようやく正しい音程で歌が歌えるようになります。

聴音で正しく音感を身につけていれば、キーを変えてもやっていけると思います。

ポイントとしては……J-POPなどを歌う前提であれば、基本的に平均律で作曲された曲しかない、ということです。ですので、覚えるべき音は、例えば声域として3オクターブ出せるのであれば、36音に過ぎず、36音のどれかを出せば音は合う、ということです。逆に、A(ラ)とA#(ラの半音高いもの)の間の音程なんかが脳に焼き付いていると、そこに音を外すので苦労します。

オクターブ違いの聴音が完璧に出来る自信があれば、12音だけ覚えていてもいいと思います。とにもかくにも、基本の音程を脳に焼き付けておけるかどうか、それをピッチがあまりブレずに発声できるかどうかが重要です。

なお、ユニゾンの感覚を身につけたら、コールユーブンゲンなどを活用すると早いかもしれません。(誰か、合唱等の経験ありで、音感がよい知り合いがいたら、ユニゾンの感覚が身につくようにカラオケなんかで教えてもらって、その後はコールユーブンゲンでいいかも知れません)

というわけで、音痴の私が考える音痴矯正法(特に耳音痴の治し方)は上記の通りです。私は現在実践中なので、効果があるかどうかはなんとも……と言ったところですが、少なくともピアノの聴音の正解率は上がってきています。

元々、喉音痴だけでしかない人に、軽度? の耳音痴の感覚は分からないと思いますので、書いてみた、というのがこの記事の主な趣旨です。

(ちなみにどの程度私が音痴かというと、PremierDAMの音程判定でややフラットしたりシャープしたりを繰り返したり、音程の動きが大きな早いフレーズがうまく歌えてなくて、得意な曲で78%、そこそこ聴きこんで覚えた曲で70%やや超え程度です。記憶力がいまいちなのか、昔は覚えてたはずで75%ぐらいだった曲でも、ちょっと長く聴かない/歌わないでいると60%台になることがあります。得点的にはPremierDAMだと70点台半ばが多く、JOYSOUNDだと85点強ぐらいが平均、最高が93点程度です。フラット・シャープが自分の耳で判別できないときがあるところと、得意な音域の曲でも80%超えないことから(90%以上は、1曲を仕上げるつもりで聴きこんで、歌い込まないと無理だと思うので、出なくてもまあいいかと思えるのですが)、耳音痴もどうやらあるようだ、と気づいた次第です。実際、PPPianoでの聴音練習はかなりイマイチです。1回で100音程度やるようにしてますが、白鍵だけで70%が最高で、当初は50%程度でした)

さて、上記で喉音痴のところは発声法とさらっと流しましたが、こちらも色々とあるテーマです……というか、音楽的にはこっちのほうが重要と捉えられているようですね。まあ、音楽家……特に声楽家の皆さんは、カラオケに耐えうる聴音が出来ること、ぐらいは当たり前なんでしょうけども。

今回、なるべく手短にまとめるつもりでしたが、耳音痴だけでも分量が増えたので、また次回以降に回します。(と言って次を書かなかったことが沢山ありますが……)




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